House【断熱材の誤った認識】

 

BlackPepperの設計する住宅では主に『高性能グラスウール』という素材の断熱材を使用しています。

 

ここ最近住宅展示場などで断熱材の説明を受けたお客様がご来店した際、「グラスウールって昔の家に使われていてよくないんでしょ?」なんて質問を受けることが多くなっています。

しかし、これは完全に誤った認識です。

セールスマンも間違った説明はしていませんが、お客様に間違って伝わっているのも事実。

 

よく質問を受ける4項目についての解説をさせていただきます。

 

 

①グラスウールは年数が経つとヘタり隙間だらけ?

その通りです。

昔のグラスウールは何年もすると結露した水分を吸い込みへたってしまいました。

それにより無断熱空間が生まれ性能低下を引き起こしています。

しかし現在私たちが使用している『高性能グラスウール』という素材は以前とは比べものにならないほどのコシがあり、むしろ建物の躯体に使用される木材が乾燥し痩せてしまったときに、その隙間に追従するように膨らみ、隙間ができにくい構造となっています。(結露については下記で説明)

 

②グラスウールは濡れると性能が低下しカビだらけ?

その通りです。

昔の家をリフォームする際に壁を剥がすと、カビが生えたグラスウールが出てくることもございます。

ですが、そうならないために現在では高性能グラスウール施工時には防湿気密シートを断熱材の上に張り込み、室内の湿気がグラスウール層に入らないよう入念なテープ処理をし、断熱材が濡れてしまう状況事体をなくしています。

 

③グラスウールでは細かい隙間まで断熱材を入れられない?

その通りです。

昔よく見られた袋詰めグラスウールでは、建物の細かい形状に合わせることができなかったので、そこに隙間が生まれてしまいました。

この袋というのは、グラスウールが濡れてしまうのを防止するための防湿層で必要不可欠だったのですが、そもそも弊社では高性能グラスウール施工時には防湿気密シートを貼るので、袋詰めされたものを使用しません。

それにより断熱材自体を建物の形状に合わせてカットし、隙間のできないよう施工することが可能です。

 

④グラスウールは発泡ウレタンよりも断熱性能が低い?

その通りです。

弊社が使用する高性能グラスウールの熱抵伝導率が0.038w/m.kで、吹付け硬質ウレタンが0.023w/m.kです。(低ければ低いほど性能が高いです)

この数値の通り、ウレタンのほうが熱伝導率の性能は高いのが事実です。

しかし、数値だけの説明が誤解を生んでいます。

なぜならどのぐらいの量を入れたかがこの数字からは読み取れないからです。

 

同じ厚みを入れたとすればウレタンの方が性能がいいというだけで、住宅性能(外皮平均熱貫流率)というのは、どの性能の断熱材をどの程度の厚みを入れたかで評価されます。

なので住宅の断熱性能を比較する場合には、断熱材の種類ではなくUA値Q値といった数値で比較をしてください。

 

 

以上、これらが正しい認識となりますが、ここで最大の疑問が湧きませんか?

高性能グラスウールでも問題ないことがわかっても、吹付け硬質ウレタンを使えばそもそもこれらの問題は解決なのでは???

 

おっしゃる通り吹付け硬質ウレタンは、とても優れた断熱方法だと思います。

 

それにグラスウールは施工が難しく、防湿気密シートの施工不良や、隙間にフィットしていない断熱材の充填施工ミスなどで一気に性能低下を起こす可能性があるので、年に何百棟も建築する住宅メーカーには、性能の一定化を図るためにも不向きです。

 

では何故BlackPepperが『高性能グラスウール』の施工にこだわるのか。

次回ご説明することにしましょう。

 

この記事を書いた人

竹内恵一
竹内恵一空間デザイナー
1987年生まれ|2級建築士・東京にてショップデザイン専攻
地元長野に戻ってからはグラフィックを扱う企業へ就職するも、空間デザインの世界が諦めきれず、数年後には起業を果たしBlackPepper LLPを設立。軽井沢の別荘建築で現場の経験も積みながら、デザイナーとしての道へと本格的に歩みを進める。2017年6月には株式会社BlackPepperを設立。同社取締役デザイナーとして、主に住宅・店舗設計を手がけている。

一見、住宅と店舗ではかけ離れているような分野だと思えるが、考え方や求められていることが違う分、別視点からの柔軟な発想を両デザインに落とし込むことができている。今もなお両立しているこのスタイルは妥協のない空間づくりへの姿勢の表れであり、今後も理想を描き続けるための核とも言えるだろう。