House【高性能グラスウールを使った施工にこだわる理由とは?】

 

前回はグラスウールの間違った認識について、世間一般でよく言われている疑問にお答えしました。

 

今回は我々BlackPepperが何故『高性能グラスウール』の施工にこだわるのか?ご説明したいと思います。

 

①住宅性能を上げるのに適している

前の記事でも触れましたが、高性能グラスウールよりも吹付け硬質ウレタンのほうが、断熱材の断熱性能は高いのは事実です。

しかし弊社の場合、柱間に105mm、付加外壁内に105mmと合計210mmの断熱材が入ります。吹付け硬質ウレタンではここまで厚みをもたせた施工ができず、R(熱抵抗値)=D(断熱材の厚み)÷λ(熱伝導率)の計算結果では『高性能グラスウール』の方が、高い断熱性能の住宅が作れます。

 

②『高性能グラスウール』は潰れない

例えばグラスウールをハンマーで叩いた場合、潰れても元にもどります。しかしウレタンはハンマーで叩くと潰れた形状のままになってしまいます。

地震で家が揺れたときのことをご想像ください。
正長方形だった柱と梁が台形に歪むと中の断熱材は潰れます。地震がおさまった後にもとに戻らなければその部分は無断熱空間になってしまうので、建築当初の住宅性能は損なわれてしまいます。

高性能グラスウールを使用することで変形後、元の形状に戻ることが可能です。(性能低下をしない)

 

③湿気から断熱材と躯体を守れる

グラスウール使用時には、防湿気密シートの施工をセットで行います。これがあることで壁内結露の防止をし断熱材・躯体も、水に濡れることを防げます。

硬質ウレタンでは初期の気密性能が高いことにより、防湿気密シートの施工はしない場合が多く、もし地震などで無断熱空間ができた場合には、仕上げ材と断熱材の間で結露が発生します。

水に濡れても性能の落ちない硬質ウレタンでも、表面の発泡穴に溜まった湿気からカビが発生するリスクがあります。

 

④火災発生の際の健康への影響

グラスウールの原料であるガラス繊維は、高温になってもガスや有害物質を発生させることはありません。

最近では火災の直後はガスの発生しない硬質ウレタンもあるので、ガスによる死亡というリスクは低いかもしれませんが、大気中に有毒ガスが発生しないことに越したことはないと考えています。

 

⑤少なからず発生した湿気

これは高性能グラスウールであっても吹付け硬質ウレタンであっても、建築で100%の気密というのは不可能です。

ほんの少しであっても壁内結露は発生しうるもので、この湿気をどう逃すかが大切です。弊社の施工方法では断熱材の部屋側は防湿材を使用し、屋外側へは透湿材を使用します。

見た目の通りグラスウールも透湿材なので、結露が発生した場合には、屋外側へ湿気が逃げる仕組みとなっています。

硬質ウレタンでは湿気を外へ逃がすことが難しいため、露点温度に達した場合、湿気は水となり壁内に溜まってしまうことになります。

 

⑥コストが安い

『高性能グラスウール』はリサイクルガラスを主原料とし、軽くて輸送コストも安く、専用の機械も必要としないので、硬質ウレタンに比べるとおよそ半分程度のコストで済みます。

さらに、住宅解体時には木材とグラスウールの分別ができるので、産業廃棄物の処理コストも安く上がります。高性能グラスウールであれば建築コストを抑えることができ、高性能な家に仕上がります。

これらの理由から弊社の断熱材が決められています。とはいえ、施工ミスにより性能低下が起こるリスクもございます。
弊社では定期的な断熱研修を取り入れ、材料の特性をよく理解したうえで施工するよう取り組みをしております。

 

 

ここまでで、高性能グラスウールの特徴をご理解いただけたでしょうか。
ちょっと難しくてよくわからなかったなど、ご意見ございましたらお気軽にご相談ください。

そして、この断熱方法も現段階で、弊社がコストとパフォーマンス性のバランスのとれた一番優れていると考える工法になります。

 

今回は、一般的に主流でもある硬質ウレタンとの比較がメインでしたが、予算が潤沢にあれば、性能を維持しながら特性の違う断熱材を使うこともございます。今後新しい建材がどんどん開発された後には、また違った見解があることも事実です。

日々、高性能住宅をとはどうあるべきか?

疑問を持ちがなら探求し続けたいと考えております。

この記事を書いた人

竹内恵一
竹内恵一空間デザイナー
1987年生まれ|2級建築士・東京にてショップデザイン専攻
地元長野に戻ってからはグラフィックを扱う企業へ就職するも、空間デザインの世界が諦めきれず、数年後には起業を果たしBlackPepper LLPを設立。軽井沢の別荘建築で現場の経験も積みながら、デザイナーとしての道へと本格的に歩みを進める。2017年6月には株式会社BlackPepperを設立。同社取締役デザイナーとして、主に住宅・店舗設計を手がけている。

一見、住宅と店舗ではかけ離れているような分野だと思えるが、考え方や求められていることが違う分、別視点からの柔軟な発想を両デザインに落とし込むことができている。今もなお両立しているこのスタイルは妥協のない空間づくりへの姿勢の表れであり、今後も理想を描き続けるための核とも言えるだろう。