House【木造住宅の資産価値はどうなるの?】

現在建物の価値というのはほとんどの場合、築年数によって価値が決まっているように思います。
建物というのは建てた瞬間より劣化が進み評価価値が下がるわけですが、それをどの建物でも公平にジャッジしなければいけません。

 

※施工事例写真

 

そこで使われるのが指標が築年数であり、そこから割り出されるのが法定耐用年数というものです。

法定耐用年数は主に税法における減価償却資産の課税において使用されます。

もちろん固定資産税で収める金額が減ることが嬉しいことにも思えますが、同時に建物の価値が下がっているというのは由々しき事態です。

また、固定資産税の基準となる評価額は、1年経過するだけで、新築時の80%まで下がります。

以降1年ごとに価値は下がっていき、もっとも安い木造住宅の場合、15年で最小値の20%になります。

15年で2割の価値しかない。というのが法定耐用年数によって導き出された資産価値です。

 

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私たちは「15年無事に住めたら2割で売って、建替えるよ」なんて思いで家を建てませんよね?
そんなわけがないので、地震に強い家を設計しているし、30年後でも通用するだろうと想像した温熱環境を兼ね備える努力をしています。
コンクリートの質の向上、構造体が傷まないよう透湿性能にすぐれた壁構造、シロアリの被害に遭わないための対策、いろんなことに考えを巡らせて家づくりをしています。

はなから15年でダメになるようなものを作ってはいません。

ですが、これらの努力が必ず評価される未来が来ると私は信じています。

 

 

そもそもアメリカでは、古い建物に新しい付加価値をつけて購入時よりも高く売るということが普通に行われています。
まぁ高く売れないにしても同じ価格で売れたら、今までに住んでていた分の家賃が0円になり、利益が出たと考えるべきでしょう。

当然将来に向けて物価は上がっていくわけで、コストの回収はしやすくなるはずです。

日本には今までその概念がなかっただけのことです。
その背景には、性能の低さ、デザイン性の低さ、災害、等色々要因があるでしょうが、大きな理由は物の価値が低すぎたことにあると思います。

新築買った方が安いのだから、わざわざ中古を買う必要がなかった。

 

※施工事例写真

 

だけど時代は変わってきています。
物の価値はどんどん上がり、給与がそれに追いつかないなんて現実はみんなが知っていることです。
それに加えて金融リテラシー向上のために投資の授業まで始まっている現状。

これからの未来、新築住宅は誰でも手に入るものではなくなってくるでしょう。
そうなった時は本当の意味でストック住宅が中心となる世の中がはじまります。

その時に使われる指標は?果たして法定耐用年数なのでしょうか?

 

 

私なら、築年数よりも、そこまでに行われてきたメンテナンスの背景、住宅の構造、断熱方法、気密の仕方、そんなところを見ながら回収コストのかからない、デザイン性に優れた住宅が欲しくなります。

それはプロにしかできないでしょ!と思うかもしれませんが、住宅のインスペクション(住宅診断)というのは何年も前から始まっています。

これからはもっとその需要が大きくなるでしょう。

今は補助金目的でとっている住宅の性能証明書、耐震だったり温熱環境、エネルギーの計算、それらも全てそのお家の価値を上げるためには必要になってきます。

だって、さっき作ったばかりだけど誰が握ったかわからないおにぎりとか食べたくないじゃないですか。私だけ…?
今朝作った物でも、ちゃんと調理をしてくれた作った人(店)の姿が見えた方が安心できますよね。

そういう時代が来るでしょうというお話です。

 

※施工事例写真

 

今回のお題でもある「資産価値」というは自分の手から離れたときに評価される価値のことだと思います。
※自分で所有している限りは消費していくだけなので。

今と未来では世の中の状況も価値観も変わっています。

こうだ!という正解は言えませんが、想像するに木造住宅の価値も上がっていくのではないでしょうか。

以上

 

この記事を書いた人

竹内恵一
竹内恵一空間デザイナー
1987年生まれ|2級建築士・東京にてショップデザイン専攻
地元長野に戻ってからはグラフィックを扱う企業へ就職するも、空間デザインの世界が諦めきれず、数年後には起業を果たしBlackPepper LLPを設立。軽井沢の別荘建築で現場の経験も積みながら、デザイナーとしての道へと本格的に歩みを進める。2017年6月には株式会社BlackPepperを設立。同社取締役デザイナーとして、主に住宅・店舗設計を手がけている。

一見、住宅と店舗ではかけ離れているような分野だと思えるが、考え方や求められていることが違う分、別視点からの柔軟な発想を両デザインに落とし込むことができている。今もなお両立しているこのスタイルは妥協のない空間づくりへの姿勢の表れであり、今後も理想を描き続けるための核とも言えるだろう。