知ってるようで知らない。住宅メーカーはどこに依頼する? [2/3]
前回は住宅メーカーの特徴をそれぞれお話ししましたが、今回はそのメリットとデメリットについて、「私なり」の解釈でお話ししていきます。

前回と同様の順番で話していきましょう。
まずは「ハウスメーカー」
ハウスメーカーの特徴の中にこのようなキーワードがありました。
#全国展開 #大量生産型 #ニーズを拾う #営業マン #モデルハウス #ビジネスモデル #宣伝
ここから推測するに、全国展開において強みがあるということ。
すなわち”大きな資本を持っている”ということです。
ハウスメーカーって財閥系もいますしね。。。
そして大きな資本があれば技術開発や生産ラインを確保することができますよね。
ラインで作るということは非効率な注文を物件ごと対応するのは難しいので、ある程度ニーズの高いモデルに型を決めたくなります。
そうして大量生産ができたら、あとは大量に売るだけ。
より多くの人に商品を知ってもらうためにモデルハウスを立てたり宣伝をし、人を呼び込み効率的に販売員が売りまくるというわけです。
住宅を作るための材料費以外にいろんなお金がかかっているのですから、資材のコストは極力抑えられるよう企業努力もしています。
なんか棘がある言い方ですよね。笑
でもそんなことないですよ。
多くのハウスメーカーとの競争にしのぎを削ってるわけですから、下手なことはできません。
一定の性能の高さ、品質管理は徹底されていますし、よくわからない人が作る家よりもよほど安心して家づくりができると言えます。
次に「設計事務所」
設計事務所は設計を専門にするだけあって、やはり住まい手に寄り添った細かな設計が目立ちます。
しかも設計事務所にも個性があり、意匠に力を入れているところ、パッシブに力を入れているところ、省エネや構造に力を入れているところ、と様々です。
逆に建築家の事務所などになると、住まい手に寄り添わない尖った設計なんかが売りになっているところもありますね。
デメリットは、専門性が高いゆえに設計ジャンルの得意・不得意がも多いように思います。
意匠設計に力をいれているとことは省エネのことは蔑ろにしていたり、パッシブデザインに力を入れているところは意匠性が低かったり。
特徴が会社ごと違うので、ご自身が目指す住まいを必ずしもその会社が作れるとは限りません。
当社のある長野県では、時折「都心の設計事務所による設計」で「地元工務店が工事をしている」なんて現場を目にしますが、やはり設計士はよほどその土地のことを勉強していないと、この地域で快適に暮らせる住環境を作るのは難しいかなと思ってしまう場面も多くございます。
そしてもう一つのネックは、工事店は別会社になるということ。
当初設計を依頼した際の予算感と、工事店でとった見積もりが大きくかけ離れるなんてことはよくあることです。
設計してもらう会社ばかり気にかけていると、工事店は予算があえばどこでもよいというになることも。
それは大変危険な考えです。
どこに設計してもらうか?と同様の気持ちで工事店探しもする必要があります。
なので時間と予算にゆとりを持てる方におすすめしたいですね。

そして「工務店」
前回もお話ししましたが、工務店にはいろいろな形態をとる会社がありすぎて一概にはっきりとカテゴリ分けができません。
何を隠そう私たちBlackPepperも、あえてどこに当てはめるかといえばこのジャンルに入ってきます。
設計事務所のように住まいに寄り添う細かな設計を得意とするところもあれば、ハウスメーカーのようにある程度の規格住宅を販売する会社もありますね。
さらに工務店のメリットとすれば、設計事務所のように工事店を別に探す必要もなければ、ハウスメーカーのように(建物本体にとって)無駄な費用がかかっていることも少ないので、よい工務店に巡り合えさえすれば支払った分の費用の多くがきちんと建物本体にかけられ、コストパフォーマンス良く理想の家に出会うことができるかもしれません。
ただし難しいのは、冒頭にも挙げたように工務店は数がありすぎるゆえ、設計施工のレベルに違いがありすぎる傾向にあります。
今時、昭和の時代ですか?というような設計(デザインではなく構造や省エネ性)する会社も山ほどありますし、地元に密着しているがゆえの謎の信頼感でやばい住宅を建てているところもいっぱい知っています。
私はプロなので、お話を聞けばそこが良いのか悪いのかわかります。
自分が住宅を建てるなら工務店に依頼したいなと思いますが、何も知識がない人にとっては少々危険な賭けになる可能性もあるということですね。
最近はSNSや口コミがあるのでそれがセーフティーになる場合もございますが、それも正しいことばかりとは限りません。
そもそもご自身で建てた家を悪くいうオーナー様は少ないですからね。笑

どうでしょう。結局どこが良いとか悪いという話ではないというのが少しご理解いただけたのではないでしょうか。
それでは次回はここまでの総評をしていきましょう。
〉〉次回:「自分の理想と、それを実現してくれるメーカーとの相性」