House【床の素材の感じ方、温度ではなく熱伝導率が関係?】

床の素材の感じ方に大きく関係するのが「熱伝導率」です。

熱伝導率とは、物質が静止した状態で温度が高い方から低い方へ移動するという現象をわかりやすく数値化したもので、その数値が低いほど熱を伝えにくい素材だと言えます。

 

※施工事例写真

 

住宅で使われる代表的な床材で熱伝導率を比べてみると以下のようになります。

(※数値は参考値になります。)

コンクリート床:1.6 W/㎡K
タイル:1.3 W/㎡K
複合フローリング:0.2W/㎡K、
無垢フローリング:0.12 W/㎡K

 

このように数値で比較してみると、コンクリートとフローリングでは熱伝導率の違いが明らかですね。

無垢フローリングの熱伝導率が低い理由は、熱伝導に抵抗する「空気」を細胞内に多く含んでいるためです。

 

※施工事例写真

 

さらに無垢フローリングの中でも針葉樹は細胞が細かく緻密に整列しているのに対し、広葉樹は細胞の形にばらつきがあり、細胞の数が針葉樹よりも少ないのが特徴です。

そのため、木材の中でも細胞内に含まれる空気量の差によって、針葉樹は「軽くて柔らかい」、広葉樹は「重くて硬い」といった印象の違いが生まれます。

床は毎日肌に触れるものでもありますので、ぜひ素材選びの参考にしてみてください。

 

この記事を書いた人

柴田勇介
柴田勇介2級建築士
関東学院大学の人間環境デザイン学科を卒業後、都内のゼネコン会社で5年間施工管理に従事。地元の長野に戻ってからは設計へとキャリアを移し、公共・社寺など幅広い経験を積む。
兼ねてから設計の道を目指していたこともあり、図面から読み解く情報量の多さと着眼点は、現場を経験してきた者ならではの武器ともいえる。