House【リノベーションは危険!?建て替えと比較してみた結果…】

住まいの劣化や家族構成の変化などにより、マイホームの修繕が必要になることもあるでしょう。

しかし、建て替えをすべきか、それともリノベーションが適してるのか、建物の状況や目的によって最適な選択は異なります。
そこで今回は、リノベーションと建て替えの違いや、それぞれの利点と欠点を比較してみます。どちらの選択があなたに適しているか、考察してみましょう。

 

 

⚫リノベーションのメリット
・コストの節約:リノベーションは通常、建て替えよりもコストが抑えられます。

既存の構造を活かしながら改修を行うため、大規模な工事が不要です。

また、部分的なリノベーションであれば予算に応じて段階的に進めていくことも可能です。

・迅速な工程:リノベーションは、建て替えと比べて工期が短いことが一般的です。

大規模な解体や新築工事が不要なため、家族が早く新しい生活に戻れるという利点があります。

・環境への配慮:既存の建物を再利用することで、建築資材の廃棄を減らし、環境負荷を軽減することができます。

また、古い建物の歴史や魅力を保ちながら、現代の快適性を取り入れることができます。

 

 

⚫建て替えのメリット
・自由な設計:建て替えでは、既存住宅を取り壊して真っ新な状態から建築をするため、設計の自由度が高く、自分たちの理想の家を一から作り上げることができます。

最新の建築技術や、エネルギー効率の高い設備を取り入れることも可能です。
・長期的な価値:新築の家は最新の建築基準に従って建てられているため、耐震性や断熱性が高く、長期的な視点で見た場合に資産価値が高いとされています。将来的なメンテナンスコストも抑えることができるでしょう。
・安心感:建築部材や内部設備等、すべてが新しいため、それらの品質や性能について心配する必要がありません。新築ならではの安心感が得られます。

 

 

⚫リノベーションのデメリット
・構造的な制約:リノベーションでは既存建物の構造に依存するため、設計の自由度が限られます。

特に大規模な変更を望む場合には、既存の柱や梁の位置などの構造的な制約がネックになるかもしれません。
・予期せぬ問題:古い建物をリノベーションする際、工事着手後に隠れた問題が発見されることがあります。

このようなトラブルにより、予算やスケジュールに大きな影響がでるかもしれないというリスクを考慮しておくべきでしょう。

 

 

⚫建て替えのデメリット
・高額な費用:既存住宅の解体費を含め、新築には大きなコストがかかります。

土地の状況や建物の規模によっては、予算を大幅に超えてしまう可能性もあるでしょう。
・長い工期:リノベーションに比べて、新築は全ての工事が完了するまで時間がかかります。

計画から完成までのプロセスは長期にわたり、その間の生活の準備が必要です。

一般的に、計画始動から引越し、着工、工事完了まで、1年以上を要するとされています。
・環境的負荷:古い建物を解体する際には、大量の廃材が出ます。

また、新たに資材を調達するため環境負荷がより大きくなります。

 

 

 

以上が、それぞれのメリット・デメリットです。
コストや工期を重視するのであれば、リノベーションの方が適しているようですね。
一方で、設計の自由度や長期的な価値を重視する場合には、建て替えが魅力的に感じられます。

ただし、これはあくまで一般論であることを忘れてはなりません。

コスト面だけを見ると、リノベーションの方が「安い」と言えます。
しかし、例えば3000万円の新築住宅と 2800万円をかけたフルリノベーション住宅では、どちらが「安い」でしょうか。

本気で新築と同等の性能を求めると、リノベーションも新築も大差ない金額になります。また、フルリノベーションとなれば大規模な工事となるため、工期も長くなります。
この時、新築の方が価値が高いと考える人にとっては、リノベーションは割高だと感じるでしょう。

一方、2800万円しか予算がない人にとっては、リノベーションの方が魅力的に映るかもしれません。

 

 

どちらを選ぶべきかは状況や目的により異なりますが、最終的には個々のニーズやライフスタイルに最も合った選択をすることが大切です。

それぞれのプロセスを楽しみながら、理想の住まいを実現してくださいね。

この記事を書いた人

庄村光央
庄村光央インテリアコーディネーター
父が現場監督、母が設計士、兄が大工という生粋の建築一家で育つ。その影響もあってか、幼少の頃のお絵描きと言えば住宅の平面図や空間パースを描いていたという。高校在学時にはインテリアコーディネーターを最年少取得年齢の17歳で合格する。
将来は機能美とデザイン性が共存する、人々の記憶に残るような住宅を手がける設計士を目指している。