House 【木造住宅は耐震性が低い!?地震に強い家の共通点】

日本では頻繁に地震が発生するため、建築メーカーは耐震性を向上させるために様々な工法を採用しています。

 

 

例えば、一般的な木造工法の比較として、在来工法ツーバイフォー工法が挙げられます。

在来工法は木材を組み合わせて建物の骨組みを作る方式に対し、ツーバイフォー工法は壁が面で構成されているため、地震に対する強度が高いとされてきました。

 

しかしながら、この見解は一昔前の考え方です。

現行の建築基準法の確認申請では、建築士が設計した建物が基準に適合していれば、構造計算書の提出は必要ありません。

壁量計算などの簡易検討はされるものの、構造計算を行わなくても建物が建てられる場合もあります。

そのため、実際の耐震性能がどの程度であるかは明確に評価されないのです。

このような状況下で判断するのであれば、ツーバイフォー工法の方が耐力壁が増えるという特性から、地震に強いと見なされるかもしれません。

 

 

しかし、私たちは各建物ごとに地震に対する許容応力度計算を行い、その結果を設計に反映させています。

部材単体の強度には差がありますが、需要視すべきは鉄骨造・木造在来工法・ツーバイフォーなどといった〇〇工法よりも、構造計算によって客観的に算出された耐震性能です。

 

 

最新の工法には、目を引くアイデアや理にかなった技術が多くありますが、特に奇抜なことをせずとも耐震性を向上させることは可能です。

安易な考えで新技術に高額な費用を投じるよりも、構造計算という信頼のおけるデータをメーカーが出せるかきちんとチェックしていきましょう。

 

この記事を書いた人

庄村光央
庄村光央インテリアコーディネーター
父が現場監督、母が設計士、兄が大工という生粋の建築一家で育つ。その影響もあってか、幼少の頃のお絵描きと言えば住宅の平面図や空間パースを描いていたという。高校在学時にはインテリアコーディネーターを最年少取得年齢の17歳で合格する。
将来は機能美とデザイン性が共存する、人々の記憶に残るような住宅を手がける設計士を目指している。