Post:Dec 25, 2025 | Writer, 庄村 光央, Others

Others 【みらいエコ住宅2026事業とは?住宅省エネ支援制度の概要】

2025年11月28日に閣議決定された予算案において、
新たな住宅支援制度として「みらいエコ住宅2026事業」が創設されました。

名前だけを見ると少し分かりにくいですが、実際には
「性能の高い家を建てる、または直す人を国が後押しする制度」
と考えてもらうとイメージしやすいと思います。

どんな補助金なのか?
みらいエコ住宅2026事業は、
・新築住宅
・既存住宅の省エネリフォーム のどちらも対象になる、国土交通省の補助事業です。
特徴は、「とにかく何かを付ければOK」という制度ではなく、住宅全体の省エネ性能を数値で評価する点にあります。

新築住宅の場合
新築住宅では、大きく分けて次の3つの区分が対象になります。
GX志向型住宅/長期優良住宅/ZEH水準住宅
それぞれで補助金額が異なり、性能が高い住宅ほど、補助額も大きくなる仕組みです。

補助金はいくらくらい?
代表的な補助額の目安は、以下の通りです。
・GX志向型住宅→ 1戸あたり 110万円(寒冷地など1〜4地域では 125万円)
・長期優良住宅→ 75〜95万円(子育て世帯・若者夫婦世帯が対象)
・ZEH水準住宅→ 35〜55万円(同じく世帯要件あり)
※住宅の条件や地域によって金額は変わります。

何を満たせば対象になるのか?
ここが一番重要なポイントです。
みらいエコ住宅2026事業では、主に次の点がチェックされます。

① 断熱性能:住宅の断熱性能が、国が定める等級以上であること
・GX志向型住宅:断熱等級6以上
・長期優良住宅/ZEH水準住宅:断熱等級5以上
壁・屋根・床・窓など、家そのもののつくりが評価対象になります。

② 一次エネルギー消費量:冷暖房、給湯、照明などに使うエネルギーをどれだけ削減できているかも見られます。
・長期優良住宅/ZEH水準住宅→ 基準から 20%以上削減
・GX志向型住宅→ 35%以上削減(太陽光などの再エネを除いた状態)

③ GX志向型住宅のみの追加条件
GX志向型住宅の場合は、
・太陽光発電などの再生可能エネルギー
・HEMS(エネルギー管理システム)
といった要素も含めて、住宅全体のエネルギーの使い方まで評価されます。
※寒冷地や敷地条件などにより、一部の基準が緩和されるケースもあります。

注意点として
補助対象となるのは、令和7年11月28日以降に着工した住宅(新築の場合は「基礎工事の着手日」が基準)に限られます。
また、
・床面積:50㎡以上〜240㎡以下
・災害リスクの高い区域など、対象外となる立地条件あり
といった制限もあります。

実はリフォームも対象です
みらいエコ住宅2026事業は、既存住宅の省エネリフォームも対象としています。
「断熱性能が十分でない住宅を、断熱改修と省エネ設備の更新によって現在の基準に近づける」という工事内容に対して、最大で100万円まで補助されるケースもあります。
建て替えまでは考えていないけれど、今の住まいを快適にしたい という方にとっても、知っておきたい制度です。

補助金でよくある誤解
・後から申請すればもらえる
・設備を追加すれば何とかなる
・どの会社で建てても条件は同じ
と思われがちですが、実際はそうではありません。
この補助金は、設計段階から性能を考えて進めることが前提の制度です。

最後に|検討中の方へ
みらいエコ住宅2026事業は、「補助金をもらうために家を建てる」制度ではありません。
ただし、どうせ性能を上げるなら、どうせ同じ内容で建てるなら、使える補助金はきちんと使った方がいいというのも事実です。

家づくりを考え始めたタイミングで、
この補助金は自分たちの計画に使えるのか?一度整理してみることをおすすめします。

 

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