House【窓ガラスのトリプル化について】 2022.7.15House, 設備 これから新築を計画するにあたり、選んだメーカーの窓ガラスの仕様を必ずチェックしておきましょう! BlackPepperではトリプルガラスを標準設計に組み込んでおります。せっかく一生懸命壁の断熱しても、窓ガラスに気を配らないと、へんてこな家になってしまう可能性が高いので要注意。 壁や天井で使用する断熱材の役割は、ざっくりとした話グラスールだろうがウレタンだろうが、空気を取り込むという目的が同じなので厚みを持たせれば効果を発揮します。 しかし、唯一家の中で断熱材を入れられないのが窓!! 家づくりにおいて、気密・断熱は言うまでもなく超重要ですが、窓の性能はもっとも大事だと言うのを覚えておいてください。 住宅のことはよくわからないという方でも、わかりやすい例題があるのでお試しを。 あなたは真冬の北海道にやってきました。外気温は-10度、吹雪で前が見えませえん。外に出たら凍りつくような寒さが待っています。外に行く用事があるのですが、どんな格好で行けば体温低下を防げますか? A・ダウンジャケットと防寒パンツと防寒靴のフル装備にファスナー全締めで行く。 B・ダウンジャケットと防寒パンツと防寒靴のフル装備にファスナー全開で行く。 C・ダウンジャケットは買ったけど、下は部屋で着ていた短パンとスニーカーで行く。 D・ 中身はなんだかわからないけど、暖かそうなゴアゴアした服で行く。 正解は・・・Aです! そりゃそうですよね。どれかひとつ欠けてもいけません。全身コーディネートしないと効果は発揮されないんです。とはいえ、こんなことは誰もが経験から学び、身を守るために無意識でも正しい判断ができます。 次は住宅に置き換えて解説をしていきましょう。 A・断熱もしっかりやって、窓の断熱性もばっちり!もちろん気密もしています。 B・断熱もしっかりやって、窓の断熱性もばっちり!あっ!ちゃんと気密してなかった! C・断熱はしっかりやったけど、窓を高性能にしなかった! D・見た目はかっこいいけど、断熱はよくわかってない人がとりあえず入れたので効果は不明。 先ほどの答えと同様、寒い思いをしないためには Aを選択するべきですが、住宅メーカーを選ぶタイミングは、家を建てる前なのでお客様は経験という武器を持ち合わせていません。 この状況でただしい判断をするのはとっても難しいんですよね。 ですが、世の中はもっと恐ろしいことになっています。 本来、正しい選択ができないお客様に変わって、トータルコーディネートをしてあげなきゃいけない住宅メーカーのほとんどは、建築のプロでありながら正しい判断をしていないです。 いやっ!あえて「やらない」と言うのが正しいかもしれません。 なんで??それってヤバくない!? と思うかもしれませんが、やらない事情が大きくわけで2つあると思います。 ひとつは 暖かい服はコストがかかる。全身防寒着なんて高くて誰も買わないよー!という理由。 ふたつめは、そもそも知識がないのでわかっちゃいない。 おおげさではなくて、本当ですよ! 弊社の設計する住宅はua値で0.3w/ ㎡k台を水位してますが、長野県でこの数値で設計をしている会社の施工物件なんて全体の2%ぐらいではないでしょうか。 高気密高断熱で家を建築してるんだけど、心配だから見にきてほしいって友人に頼まれたことがあるのですが、現場を見れば気密のテープ処理すらしていない状況で仕上げ材を張り込んでいたり。 私はただただ頷いて帰りました。笑 だって言えないですよ!?もうほぼ完成しちゃってるんですから! せめて設計段階で相談してくれればよかったのに… 話がズレましたが、よくわかっていない住宅メーカーは論外なので置いておきましょうm(__)m つまりハウスメーカーもビジネスだということです。性能よりもコスト!というお客様の層が多ければ、よりニーズにあった売り方をするのは自然なことで、それがいけないことだとは思いません。 でも、そこまでやらなくても売れればいいじゃん的な売り逃げスタイルは許せません。安くて喜ぶ人はいても、寒くて喜ぶ人はいませんからね。 それじゃどうやってきちんと断熱気密設計されたメーカーを選べばいいかわからない! そうなんです。まさにその通り!! 現在の日本では、お客様自身が建築のプロ同様に、断熱性能や気密性能に関しては正しい知識を持ち合わせていないと、選んだメーカーの良し悪しはギャンブルということです。 本日知っていただきたかったことは、「プロに頼めば性能が担保されている」と考えるのは大きな誤りということです。 でもおかしな話ですよね。そもそも高気密高断熱って技術的な基準が存在しません。車だったらシートベルトやエアバックのない車を「安全ですよー」なんて売ったら詐欺ですけど、住宅の場合はどんな仕様の家だろうが「高気密高断熱だから暖かいですよー」って言ってもOK… 本当にあたたかいのは、そんな家でも買ってくれて文句を言わないお客様自身ということに、そろそろすべての住宅メーカーが気づきましょう。 あれっガラスの話はどこへ行った…笑 この記事を書いた人 竹内恵一空間デザイナー 1987年生まれ|2級建築士・東京にてショップデザイン専攻 地元長野に戻ってからはグラフィックを扱う企業へ就職するも、空間デザインの世界が諦めきれず、数年後には起業を果たしBlackPepper LLPを設立。軽井沢の別荘建築で現場の経験も積みながら、デザイナーとしての道へと本格的に歩みを進める。2017年6月には株式会社BlackPepperを設立。同社取締役デザイナーとして、主に住宅・店舗設計を手がけている。 一見、住宅と店舗ではかけ離れているような分野だと思えるが、考え方や求められていることが違う分、別視点からの柔軟な発想を両デザインに落とし込むことができている。今もなお両立しているこのスタイルは妥協のない空間づくりへの姿勢の表れであり、今後も理想を描き続けるための核とも言えるだろう。 最新の投稿 書いた人の記事一覧 Shop2023.12.20Shop【ネイルサロン】 House2023.11.01House【高性能グラスウールを使った施工にこだわる理由とは?】 House2023.09.13House【断熱材の誤った認識】 House2023.08.23House【気になる坪単価について】 Post Views: 89