House【本当のエコ住宅とは!?】

 

コンビニのレジ袋有料化にはじまり、様々なジャンルでエコを意識した取り組みが行われています。
住宅においても、次世代住宅ポイント制度なんていうものを国交省が作って「エコポイント」なるものが出てきたりしました。

今の時代、何事もエコじゃないとね!というムードになりつつあるわけです。

 

こんなこと言うと白い目で見られてしまいそうですが、ぶっちゃけてしまいますと。

私は「エコ」という言葉が好きではありません。

 

本日はエコとは何か?
住宅とエコはどうあるべきか?考えてみました。

 

 

そもそも「エコ」とは?
「エコ」とは生態学・自然環境を意味する「エコロジー(ecology)」という英語の略称で、生物と地球はどんな相互関係を持っているのか、人間の生産活動や生活が地球環境にどのような影響を及ぼすのかということを研究する学問から始まり、現在では「地球環境にやさしい」「公害を出さない」「体に良い」といった意味にまで広がってきています。

 

ココです!私が許せないのは後者の「現在では〜」の部分です。

 

そもそも、ものづくりがエコじゃないと思うんです。
住宅に限らず、ビルや施設、看板から電柱まで作ってしまったら最後はゴミになります。

 

 

それでも、日常生活を送るために環境破壊をしながら作るわけで、国交省のやっている住宅エコポイントなんていう消費を促すようなことは、エコ的には言語道断ですよね。

 

本当にエコを目指すなら、つくらないことです。

コンビニ袋も有料化ではなくなくせばいいのでは。。。でないと私みたいな人間が買ってしまうんです。

 

私は「エコ」を語るエコロジストではありません。これからも環境に配慮にながら、ものづくりをしたいと思っています。
それでは、これから自分が携わる住宅はどうあるべきか?実は私の中でこれだけははっきりしていることがひとつあります。

 

それは「1日でも長くそこに存在することが、世の中に許されるものをつくりたい」

 

世界遺産や、地域の文化遺産はそれらに該当し、時代背景を映し出す歴史的建築物や、宗教の象徴などさまざまなものが、それらを大切にする人によって守られてきました。これらは崩れかけ原型をとどめなくなっていたとしても、「やってくれたねー環境破壊しちゃってさ!」なんて思われないですよね。

 

使用する人、またはその存在を大切に思ってくれる人が居続ける建築を目指すことがものづくりをする人の最低限のマナーにしませんか?と思うのです。

スクラップアンドビルドなんて言葉もありますが、性能のよくわからないような住宅を買って、30年住んだら立替えちゃう!なんてのは、売っちゃダメだし、買っちゃダメ。

 

 

弊社の設計ではウレタン断熱は使用しない(廃棄以外の問題もありますが)ですし、性能設計も、まわりが30年先につくる新築住宅に対抗できるだろうか?という考えでおこなっています。

それが、つくりの手のマナーだと思えるし、お客様の快適な暮らしを担保できると考えているからです。

 

これから新築を検討される方は、ご自身が選んだメーカーの家が、将来どんな存在でそこに建っているのか?ぜひそんなことも想像しながらメーカー選びをしていただきたいなと思います。

 

ここまでのことを社長に熱弁したら、「へぇ、それってエコだね」って言われてしまいました…凹

この記事を書いた人

竹内恵一
竹内恵一空間デザイナー
1987年生まれ|2級建築士・東京にてショップデザイン専攻
地元長野に戻ってからはグラフィックを扱う企業へ就職するも、空間デザインの世界が諦めきれず、数年後には起業を果たしBlackPepper LLPを設立。軽井沢の別荘建築で現場の経験も積みながら、デザイナーとしての道へと本格的に歩みを進める。2017年6月には株式会社BlackPepperを設立。同社取締役デザイナーとして、主に住宅・店舗設計を手がけている。

一見、住宅と店舗ではかけ離れているような分野だと思えるが、考え方や求められていることが違う分、別視点からの柔軟な発想を両デザインに落とし込むことができている。今もなお両立しているこのスタイルは妥協のない空間づくりへの姿勢の表れであり、今後も理想を描き続けるための核とも言えるだろう。